インドゲーミング市場の可能性:今こそ注目すべき理由
- ラジャ・ゴピナート
- Feb 4
- 6 min read
Updated: Feb 5

インドのゲーム市場、特にモバイルゲームやeスポーツが中心となって、ものすごい勢いで成長しています。この分野に参入するのは、今がまさにピークです。このブログでは、インドゲーミング市場の現状と、日本企業がここで成功するためのポイントについて掘り下げていきます。
1. インドゲーム市場規模とトレンド
インドのゲーム市場、勢いがすごいです。スマホと安いデータプランのおかげで、ゲーム人口は爆発的に増加中。2025年にはゲーマーが5億人を超えるって予測されています。地方の小さな町でも、バス待ちや昼休みにスマホゲームをしている人をよく見かけます。
そして私が最近行ったインド調査旅で見てきたトレンドを紹介します。
トレンド1: モバイルゲームが主流
インドのゲームは、とにかくモバイル中心です。『BGMI: Battlegrounds Mobile India』(元PUBG)や『Free Fire』みたいなバトルロワイヤル系が大人気。「無料で友達と遊べて、しかも面白い!」っていう手軽さがヒットの理由です。通勤中に一戦、休憩中にもう一戦、そんな感じでみんな楽しんでます。
スマホメーカーもゲーム会社と提携して端末をPRするほどインドではモバイルゲームが完全に主流となっています。特に「このスマホでBGMIが快適にプレイできるか?」が購入の決め手になることも珍しくないです。

トレンド2: Eスポーツの台頭
eスポーツも見逃せません。特に、ライブ配信やトーナメントが熱いです。インドのチームが国際大会で活躍しているニュースも増えてきました。地元のチームを応援する熱狂ぶりはすごいです。企業としては、スポンサーシップやeスポーツ向けコンテンツの制作でしっかり利益を狙える分野です。
トレンド3: カジュアルゲームの底力
意外と忘れられがちなのがカジュアルゲーム。クロスワードやカードゲームみたいな、簡単で誰でもできるゲームは、地方や年配層でも根強い人気があります。「シンプルだけどハマる」がキーワード。こういう市場は日本の「ゆるゲー」や「教育ゲーム」と親和性が高いかも。
トレンド4: 地域特化型ゲームの台頭
インドは一つの国だけど、言語も文化も地域ごとにバラバラ。そのため、地域に特化したゲームが注目されています。例えば、タミル語で展開するストーリーゲームや、地元の伝統をテーマにしたゲームが人気です。現地化をどれだけ真剣にやるかが、この市場での成否を分けます。
トレンド5: ゲーミフィケーションが熱い
ゲームが「楽しむだけ」じゃない使われ方も増えています。教育アプリやフィットネスアプリにゲーム要素を取り入れて、楽しみながら勉強や運動を促す仕組みが広がっています。特に子ども向けの学習ゲームは、家庭での教育ツールとして人気急上昇中です。
インドゲーミング市場の課題
1. 価格感覚の壁
インドでは「無料で遊べる」が基本ルール。日本ではゲーム内アイテムにお金を払うのが当たり前でも、インドでは「なぜ払う?」と疑問を持たれることが多いです。特にサブスクリプションモデルは根付いておらず、F2P(基本プレイ無料)+アプリ内課金が王道のスタイル。この価格意識を無視すると、インドゲーミング市場での成功は難しいですね。
2. ローカライズの複雑さ
インドは22の公用語を持つ多言語国家。北ではヒンディー語、南ではタミル語やテルグ語など、地域によって話される言語や文化が全然違います。日本のゲームが高品質でも、言語や文化に寄り添わなければ「遠い存在」と感じられてしまうことも。地域ごとにキャラクターやストーリーをカスタマイズするローカライズが鍵になります。
3. インフラの不均衡
都市部では高速インターネットが普及していて、3Dグラフィックを駆使したリッチなゲームが人気。でも、地方部に目を向けると事情は一変。ネット環境が整っておらず、軽量な2Dゲームやデータ消費の少ないゲームが好まれるんです。「地方を狙うなら、軽いゲームを」という基本戦略が必要ですね。
4. 広告ベースの収益モデル(AVOD)
インドでは広告ベースの無料配信モデル(AVOD)が主流。視聴者が広告を見ることにあまり抵抗がないため、このモデルは非常に有効です。ただ、日本ではサブスクリプションが主流なので、この違いに戸惑う企業も多いかもしれません。広告収益モデルをいかに効果的に活用するかが重要なポイントです。広告モデルでも表面的な広告を超えるチャンスも存在します。下記のように…

5. 現地競合との戦い
インドには「Dream11」や「Nazara Technologies」など、地元で強力なゲーム開発会社が存在します。これらの企業は、地域文化や消費者心理を巧みに取り入れたゲームで成功を収めています。日本企業が勝つためには、単なる技術力ではなく、現地の深い理解が必要です。
6. 規制や政策の不透明さ
インド政府はゲーミング産業を支援する姿勢を見せつつも、オンラインギャンブルに関連する規制は頻繁に変わります。この不透明さがビジネスリスクを高め、事業計画の障壁となる場合があります。規制の動向を細かく追い、柔軟に対応する姿勢が求められます。
ちなみに、PUBGがインドで復活するまでには、Tencent社が相当苦労しました。規制をクリアするために、ゲームの権利を中国から韓国Krafton社へ移し、インドに子会社を設立。さらに、名前をPUBGからBGMIへ変更するなど、いくつもの壁を乗り越えてようやく成功しました。この裏話はまた別のブログで詳しく書きます!
日本企業が力を集中するべきところ
すでに中国や韓国の会社がリードしているインドゲーム市場で成功するためには、現地の特性をしっかり理解し、フレキシブルな戦略を立てることが必要です。
まず、価格に敏感な消費者が多いインドでは、基本プレイ無料(F2P)のモデルが効果的です。「無料でも十分楽しめるが、課金すればさらに面白くなる」といった仕組みが理想的でしょう。
また、22の公用語を持つ多言語国家であるインドでは、単なる翻訳ではなく、地域ごとの文化や価値観を反映したゲームコンテンツが重要です。地域のストーリーやキャラクターを取り入れることで、より深い共感を得られます。
さらに、インドで絶大な人気を誇るクリケットを活かすことも大切です。IPL(インディアン・プレミアリーグ)をテーマにしたゲームやイベントは、間違いなく注目を集めるでしょう。こうした現地に根ざしたアプローチが、競争の激しいインドゲーム市場での成功の鍵となります。
最後に
インドゲーミング市場は、他国にはないダイナミックさを持っています。多様な文化、言語、価格感覚が混在する市場では、柔軟な対応と創造的な戦略が不可欠です。ただ、この複雑さが「参入しづらい」と感じる要因になっているのも事実。そこで、日本企業が持つ高品質な技術や独自のアイデアを活かし、ローカライズに力を入れれば、大きな成功を収めることができるはずです。
インドゲーム市場についてさらに詳しく知りたい、または具体的な計画を立てたい方は、ぜひご相談ください。現地での実体験をもとに、最適なアプローチを一緒に考えていきます。