UPIの仕組みを探る:インド決済システムの舞台裏
- ラジャ・ゴピナート
- Jan 6
- 4 min read
Updated: Jan 9
UPI(Unified Payments Interface)は、2016年にインド国立決済公社(NPCI)が導入したリアルタイム決済システムで、インドのデジタル決済を大きく進化させました。このブログでは、UPIの仕組みをシンプルにわかりやすく解説します。
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UPIを「親子丼」で考える

UPIの仕組みを私の大好物の親子丼に例えると、次の3つの要素で説明できます:
1. ご飯(土台)
NPCIが提供する「公共の決済基盤」はご飯の部分にあたります。このベースがしっかりしていることで、他の具材が支えられ、親子丼(UPI)が成り立つわけです。この基盤は、支払いメッセージのルーティングやシステム全体の安定性を支える重要な役割を持っています。
2. 鶏肉と卵(メインの具材)
銀行レイヤーが鶏肉と卵にあたります。規制された銀行がユーザーの資金を保持し、取引を成立させます。親子丼の味を決めるように、このレイヤーがUPIの信頼性を左右します。現在、200以上の銀行がこのネットワークに参加しています。
3. 出汁とネギ(風味とアクセント)
フィンテックレイヤーは出汁やネギに例えられます。支払いアプリやフィンテック企業が提供するユーザーインターフェースがこれにあたります。この「アクセント」があることで、UPIが親しみやすく、UPIを使いやすく親しみやすいものにしています。
主要なプレイヤー
ユーザー:
UPIアプリ(例:PhonePe、Google Pay)を使って支払いや受け取りをします。
UPIアプリ:
ユーザーと銀行システムをつなぐ橋渡しの役割を果たします。
NPCI:
決済の基盤を提供し、支払いメッセージのルーティングを担当します。
送信銀行:
ユーザーの資金を管理し、口座から引き落としを行います。
受信銀行:
受取人の口座に資金を送金し、残高を更新します。
支払いの流れ

支払いの開始
ユーザーがUPIアプリで受取人を選択(UPI IDやQRコードなど)。
金額を入力し、アプリがユーザーの仮想決済アドレス(VPA)を取得して支払い情報を暗号化。
リクエスト送信
アプリが暗号化された支払いリクエストを決済サービスプロバイダー(PSP)に送信。
PSPがリクエストをNPCIに転送し、認証情報を追加。
NPCIによるルーティング
NPCIがリクエストを解読し、ユーザーのUPI PINを検証。
受取人の銀行を特定し、リクエストを送信。
銀行の確認
受取人の銀行がリクエストを認証し、口座の有効性を確認。
問題がなければ、確認メッセージをNPCIに返送。
資金移動
送信銀行が口座から資金を引き落とし、NPCIに送金。
NPCIが受信銀行に資金を送信し、受取人の口座に入金。
取引完了通知
NPCIが送信者と受取人のアプリに取引完了の通知を送信。
ユーザーが取引成功の通知を受け取る。
このように、UPIは安全でスムーズな取引を可能にします。インド市場開拓や新規事業開発においてUPIの活用を詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に具体的な戦略を考えていきましょう!
UPIの便利な機能
QRコード:
QRコードをスキャンするだけで、支払いがすぐに完了します。
自動支払い(Autopay):
サブスクリプションなどの定期支払いも、簡単に設定して自動化できます。
セキュリティ
UPI PIN:
2段階認証を採用し、安全に取引を行える仕組みです。
トークン化:
口座番号などの敏感なデータをマスキングして保護します。
暗号化:
全ての通信を暗号化し、データを安全に保ちます。
最適な例ではないかもしれませんが、UPIは、ご飯(基盤)、鶏肉と卵(メインの機能)、そして出汁やネギ(使いやすさの工夫)が揃った親子丼のようなシステムです。このシンプルでバランスの取れた仕組みを理解し活用することで、インドで新規事業開発を目指す日本企業にとって、新たな成功の道を切り開くチャンスが広がります!
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