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UPIで変わるインド市場:新規事業開発の必須ポイント!

  • Writer: ラジャ・ゴピナート
    ラジャ・ゴピナート
  • Jan 6
  • 5 min read

Updated: Jun 19

インドのUPIを基盤にしたサービスを提供するPaytmのCM
インドのUPIを基盤にしたサービスを提供するPaytmのCM: ガソリンも買える花も買えると

UPI(Unified Payments Interface)は、インド市場を一変させた決済革命です。現金が当たり前だったインドをキャッシュレス社会へ押し上げただけでなく、市場開拓や新規事業開発にも巨大な影響を与えています。


このブログでは、UPIの仕組みや活用方法、そして日本企業がインド市場で競争力を持つためのヒントをわかりやすく紹介します。


UPIとは?わかりやすく例えると


UPIは、インド国立決済公社(NPCI)が2016年に導入したリアルタイム決済システムです。この仕組みは、インド市場進出を目指す企業にとって、効率的な支払いプラットフォームとして重要な役割を果たしています。銀行口座をアプリに紐づけるだけで、QRコードのスキャンや電話番号の入力で簡単に送金や決済が可能になります。


日本で例えるなら、PayPayやLINE Payが楽天銀行や三菱UFJ銀行とリアルタイムで完全に連携しているようなイメージです。このフレキシビリティーが、インド市場開拓における大きな可能性を広げています。


インドと日本の電子決済システムの違い
日本の電子決済システムとインドのUPIの根本的な違い

もっと詳しく言うと、日本ではキャッシュレス決済サービス同士の連携が難しいのが現状です。たとえば、PayPayしか使っていないユーザーは、楽天ペイしか対応していない店舗で電子マネーを使った支払いができないんです。各サービスが独自のシステムを持っているため、相互につながっていないのが課題です。


一方、インドのUPIは異なる銀行や決済アプリ間でもシームレスに送金や支払いが可能です。 これにより、消費者はどんなアプリを使っていても、スムーズな取引を実現できます。


UPIが変える業界の風景:リアルな事例から学ぶ


1. 小規模商店のデジタル化

インド屋台UPI電子決済
インドの道端のココナツウォーター販売する屋台でもUPI決済が発展している

以前、チェンナイの路上でココナッツウォーターを買ったときのことです。屋台には「Pay via UPI」のQRコードが貼られていて、スマホを使えば数秒で支払いが完了しました。ここ写っているおばさんは、「現金を扱わなくていいから、お釣りの心配はない。スマホで収入の管理までしっかりできる。とても助かってるわ」と嬉しそうに話してくれました。


こんな感じで、小規模な商店はどんどんキャッシュレス化が進んで、インドの非組織的な小売業界が一気にデジタル化してきています。これ、日本で例えると、田舎の畑道にある青空市が急にQRコード決済を導入するような驚きの変化です。


重要なのは、デジタル化=データ。今までデータとして管理されてなかった非組織的な小売業界に何が起きているのか見えてきています。データ=新規事業の可能性。


ココナッツウォーターの販売を聞いたこともない方でも「ピークシーズンはいつか」「どれくらいの収穫が必要か」「1日の販売量はどの程度か」などが分かります。インドでココナッツウォーター王になれるかもしれません。


このような事例は、インド市場開拓や新規事業開発を目指す日本企業にとって、現地化戦略を考える上で重要なヒントとなります。


2. 大手企業のビジネスモデル改革

UPIは大企業にも大きな影響を与えています。たとえば、インドのコーヒーチェーン「カフェコーヒーデイ(CCD)」では、UPI決済の導入によって支払いがスムーズになるだけでなく、購入データを活用してマーケティング戦略を大幅に改善しました。「この地域ではモーニングセットが人気」「午後はスイーツがよく売れる」といったデータを基に、より地域にカスタマイズされた、効果的な意思決定が可能になりました。


こうした仕組みは、インド市場開拓を目指す企業にとって、現地の消費者データを得る貴重な手段となります。このデータを活用することで、ターゲットに合ったマーケティングを展開し、競争力を大きく高めることができます。


3. FinTechベンチャー企業の台頭

UPIは、FinTech業界の急成長も後押ししています。PaytmやPhonePeといった企業がUPIプラットフォームを活用し、短期間で何億人ものユーザーを獲得しました。たとえば、Paytmでは「UPIを使った水道料金や電気料金の自動支払い」機能を提供し、ユーザーの生活を大幅に効率化しています。


これを日本に置き換えると、電力会社がSuicaやPayPayを使って電気料金をリアルタイムで引き落とす仕組みに近いですが、インドではこれが数億人規模で行われているのがスケールの違いです。こうしたFinTechの成長は、インド市場全体を活性化させ、新規事業開発のチャンスをさらに広げています。



UPIの詳しい仕組みを知りたい方はこちらのブログをご参考ください!


UPIの強み:なぜここまで広まったのか?


  1. 低コスト・手数料無料:インドではクレジットカードで3%程度の手数料がかかることがありますが、UPIならこの手数料がゼロ。これにより、小規模店舗でも気軽に導入できる環境が整っています。


  2. 利用のしやすさ:スマホとネットがあればどこでも使えるUPIの手軽さが、地方市場や未開拓エリアでのキャッシュレス化を加速させています。

インド八百屋UPI電子決済
スマホひとつで完結!路上の八百屋でも使えるUPIのシンプルさ
  1. セキュリティの高さ:ワンタイムパスワード(OTP)や暗号化技術で、不正利用のリスクを最小限に抑えています。


なぜ日本企業にとってUPIが重要なのか?


1. インド市場への適応

UPIは、決済だけでなく、市場調査や顧客データ分析にも役立つ重要な仕組みです。インドで新規事業開発を目指すなら、UPIをうまく使った現地向けの戦略を考えることがポイントになります。


2. 競争優位の確立

たとえば、家電メーカーや自動車メーカーがディーラーでUPIを活用して分割払いオプションを提供すれば、価格に敏感なインド消費者に響きやすくなります。大物だとローン契約も簡単です。


3. 日本市場への応用

長年日本の地方に住んでいた経験で言うと、UPIの成功事例は、日本でも地方や高齢者層へのキャッシュレス化推進に活用できる可能性があります。


まとめ:UPIがもたらす未来


UPIは、インドの消費者や企業の行動を大きく変え、市場の成長を加速させています。日本企業がインド市場で競争力を高めるには、UPIをしっかり理解し、それを活用した戦略を作ることが重要です。市場進出の計画や戦略について具体的なサポートが必要な場合は、ぜひご相談ください。一緒に成功への道を描きましょう!



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